1997.06.28 FIFAワールドカップフランス予選 オマーン戦

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  前日からの入念な打ち合わせ通り、おれはまず新宿の東急ハンズに向かった。買う物は2つ、ペインティンググッズと日本の国旗。日本の国旗が日本国旗ならオマーンの国旗は...アナウンサーは何て言うのだろう。『皆さんご起立下さい。オ○ーン国歌の斉唱です。』...今はそんな事を考えている時間はない。

  ハンズ1Fカウンターのネーちゃんの的確な指示でペインティンググッズの場所はすぐに分かった。ひとえにペインティンググッズといっても種類がたくさんあるようだ。良く見るとどれも結構高い。さらに、化粧などしたことがないのでどれくらいの量があればいいのか見当もつかない。ネーちゃんに聞くのもいいが、ちょっと恥ずかしい。そこで、適当に赤と白の丸いやつを2個づつ買った。さあ行くか!多分先発隊が早朝から千駄ヶ谷門にならんでいるはずだ。アルタ前で待ち合わせしてる中谷と合流して奴等の分と俺達の分の弁当も購入して準備万端、いざ国立へ!

  千駄ヶ谷門に着くと先発隊の岩田と吉平(以降:きっぺー)は前から50番目位の所にいた。この当時から代表の試合は混んでいたが、2次予選ほどではなく、朝6時位に千駄ヶ谷門についた時は徹夜組も合わせて100人位しかいなかったそうだ。しかし、先動隊が千駄ヶ谷門につくと既に並んでいたきっぺーの仲間を発見し、運良く列に入れてもらったらしい。だから俺達もホーム側のバックスタンドのとても良い位置を確保することができた。よしよし。

  この事はとても重要な要素である。いくらペインティングしててもスタンドの隅っこの方にいては全然目立たない。ゆえにメディアへの露出の可能性がとても少なくなってしまう。これでは、何の為のペインティングか解らなくなってしまう。

  とりあえず俺達は前座のマカオ-ネパール戦を見ながらどういうペインティングにするか案を練っていた。しかし、俺達はまだまだペインティング初心者、考えることはただ一つ白地に赤の日の丸しかなかった。前座試合の前半終了時点で俺達は通路の方に下がりペインティングを始めた。以下の写真が俺達のメイキング風景である。

まずはきっぺーが実験台に 白が塗れれば次は赤だ 赤がもうちょっと強いほうがいいかな..
今度は俺の番だ。この国旗の
ようにします。
とりあえず2人できたので記念撮影。
右にいるのは中谷。かれがこの後
とんでもないことになることをこの
時は誰も知らない。
お次は岩田の番。
ここまではみんなと同じだった
のだが....
この後、この日一番の悲劇が彼を待っている!

みんな和気あいあいとやってるのがよくお分かりになると思う。しかし、ここでとんでもないアクシデントが起こったのだ!

  なんと、後半開始早々どしゃ降りの雨がスタジアムを襲った!言ってみればマカオーネパール戦などどうでも良い試合、雨に降られてまで見る試合ではない。ということで先ほどまでボケーっと試合をみてた奴等がどどーっと通路に流れ込んできたからさーたいへん。たちまち俺達はちょー注目の的になってしまった。しかし、ここで引き下がるわけにも行かず、人目を気にせずペインティング続行。そしておれときっぺーのペインティングが終了したところで、皆同じペインティングではつまらないという考えがふつふつと湧いてきて...

  結局全員が終了した時点では、筆舌に尽くし難いかわいそうなペインティングを施された奴も出てきた。中にはキカイダーの死神博士見たいになってる奴までいた。(下の写真参照)先ほどまで痛いほど突き刺さっていた周りの視線もこのころには幾分和らいできた。周りの奴等の考えが興味本位から危ない奴等だ目を合わすなという考えに変わってきたからだ。

  しかし、外人には受けが良かったらしくきっぺーは外人のネーちゃんにせがまれいっしょに写真を撮っていた。やはり俺達は日本のようなちっぽけな器には収まりきらないらしい。べつにおまえ等がどう思おうとかまわない。世界がおれを呼んでいる。そして後に俺達のフランスでの活躍が新聞の裏一面を飾る事は、この時はまだ誰も知る由もない。

そうまで自分を犠牲にした初ペインティングであったが、試合を放送していたNHK衛星に1秒位映った。第1回としてはまずまずの成果が上げられたので満足だった。ちなみに試合の方はオマーン相手に引き分けてサポーターはブーイングしてたっけ。

とりあえず全員できた。
左からおれ、中谷、岩田、きっぺー、友達。
死神博士みたいな中谷と、
筆舌に尽くしがたい岩田は、
ぜひこの画像をクリックして大きな
画像で楽しんでいただきたい。
究極の一品です。
胸にはアジアの大砲『高木』の文字、
額には元日本代表監督『カモ』
の文字が見事に描かれている。
試合が終わった後のスナップだ。
注意深い人ならもう気付かれたと
思われるが、中央奥の岩田の顔が
変わっている。以前の顔では
誰も直視出来なくなってしまい、
泣く泣く日の丸に戻したが、時すでに遅し
今度は13日の金曜日のジェイソン
のようになってしまった。
帽子を被ってる所が泣ける...
おれの顔も誇らしげだ。
しかし、よーく見ると少し
チャックが開いている。
こちらはきっぺー。
その姿はまさに野人!
おなかがデンデン太鼓
みたいになってるのが特徴だ。
もはや奴等に近づける奴などいない!

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このページは、1高木ファンが2008年4月14日 00:29に書いたブログ記事です。

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